「文章の翻訳を依頼したいけど、翻訳料金ってどうやって決まるんだろう?」と疑問に思われたことはありませんか?
今回は弊社の例を基に、テキスト翻訳の料金を左右するポイントについてお伝えします。
1.翻訳料金の構成
そもそも、翻訳の見積額は以下のような要素で構成されています。(翻訳会社から見た時の内容です)
※翻訳会社から見た見積額内訳イメージ
少し個々に詳しく説明してみます。
要素 | 内容 |
(1)翻訳(外注)費 | 翻訳者の方に翻訳をお願いするための費用です。外部翻訳者の方に翻訳をお願いする外注費という形になっています。価格は翻訳者の方と交渉して取り決める形になります。 インハウスの翻訳者の方が行う場合は、その方の人件費等を考慮して決められます。 |
(2)校正(外注)費 | 社内外の翻訳者の方に校正(チェック)をお願いするための料金です。校正は基本的にその言語の方のネイティブが行うことが多いでしょう。 こちらも外注/インハウス双方のケースが考えられ、外注の場合は金額交渉が入ります。 |
(3)作業(外注)費 | 版下データ作成やWeb作業などが入る場合、そのための作業料金が発生します。 |
(4)翻訳会社マージン | 細かい人件費を含まない翻訳会社の粗利益です。 |
イメージ図をご覧になって頂ければわかるように、翻訳のお見積額を大きく左右するのは翻訳者(校正者)の方への発注費用となります。
機械翻訳やクラウドソーシングでの翻訳も増えてきた昨今、翻訳会社のマージンを少なくする値引き余地は少なくなってきています。
料金を大きく左右するのは外注費。「翻訳会社―翻訳者」のあいだの綱引きで決まる部分が大きいといえます。
なので、エージェントたる翻訳会社が交渉しづらい状況ほど料金は高くなります。
ではどんなポイントが見積額に関わってくるのでしょうか?
2.翻訳料金を左右するポイント
翻訳料金の上下を決めるポイントは以下のようなものがあげられます。
要素 | 内容 |
(1)言語 | 翻訳する言語(の組み合わせ)によって相場は上下します。たとえば、一般的に英語の翻訳料金は中国語や韓国語よりも高くなります。 |
(2)翻訳の分野 | 特定分野の文章は専門的な知識や経験が要求されるため、一般的な文章よりも高くなります。例えば特許、医療や法律文章といったものは語学力以外に当該分野について詳しくないと翻訳できず、当然料金的にも高くなります。 |
(3)要求される翻訳レベル | (3)要求される翻訳レベル(2)の分野とも少し重なりますが、例えば元文が非常に難解な文章だったり、求められる訳文が非常に精確さを求められるなどの場合、求められる翻訳者の方の実力もその分高くなります。 |
(4)ボリューム | 翻訳文のボリュームです。多くなればなるほど1文字あたりの価格は安くなる傾向にあります。ただし、(5)の納期との兼ね合いで「短納期だけれども大ボリューム」という場合には反対に高くなる可能性もあります。 |
(5)納期 | 納品に必要とされる期間です。 |
たとえば
・日本に翻訳者の方が10人もいない希少言語の
・法律の文章で
・かつそれが非常にニッチかつ難解な分野の法律で
・しかもちょっとした誤訳が大きな損害につながり
・数百ページにわたるボリュームを
・1週間後の納期までに終わらせる必要がある
なんて場合は当然、翻訳者さまや校正者の方もそれにふさわしい対価を翻訳会社に要求します。
それに対して、翻訳会社としても他に打つ手(他の翻訳者さまを探す)や交渉の手段がありません。
翻訳会社としても翻訳者さまの探索やアレンジためにコストがかかるので、
エージェントとしてのマージンも増やしたくなるもの。
結局それが、それがお見積額に跳ね返ってきます。
(っと、いうかそういった案件は初めからお断りするかもしれません…)
翻訳会社にお見積りや発注をされる際は、上記の内容を意識してやりとりしてみると、通常より少し価格を抑えた見積りをゲットできるかもしれません。
ぜひ参考にしてみてください。
宜しければ以下の記事もご覧ください。