今年も中国では旧正月(春節)がお祝いされています。春節は中国などでお祝いされるものですが、常時国内で数百名の中国人スタッフが働くインジェスターでも、このイベントは無縁ではありません。
今回はそんな春節の一コマである、「春運」と解説してみたいと思います。
画像出典:Wikipedia
春運とは
春運は「春節期間の交通運輸」の省略であり、中国で春節の頃に交通量が非常に多くなる現象を指します。このような大規模人口流動は世界でも珍しいと中国中央テレビに報道されました。
春運の歴史
1950年頃、春節運輸問題は社会に注目されていました。1953年2月8日、「春節客運」に関するニュースが「人民日報」で報じられ,1954年から中国政府は春節旅客運送オフィスを設立し、春運は政府から正式に認められていました。
1987年春運は歴史で初民工潮(出稼ぎ農民の人口の流動)を迎え、当年度鉄道乗客数は1.3億人を超えました。
なぜ春運が起こるのか?
春運の原因として、中国人の伝統思想と地域経済発展不平衡が挙げられています。中国の伝統観念によると、春節は一年間中最も重要な祝日であり、いかなる場合でも家族と一緒に春節を過ごしたいのです。改革開放以来、大勢の人は貧困な地域から経済発達した都市に就職しています。そしてその実家を離れて都市で就職した人が春節の頃に故郷を戻ることで、大規模な人口流動を招いています。また、春運の時期が大学の冬休みと重なっているため、外地の大学で学習する学生も春運人口の1つです。
また、すでに建設した交通網は現在の交通需要を満たせないことも春運の1つの
原因となっています。中国の鉄道距離は世界で2番目位だが、1人あたりの鉄道距離は14センチメートルしかありません。この課題を解決するため、中国政府は「中長期鉄道規画」を制定、運力不足を緩解したいです。
春運に関する社会問題
価格
春運の頃に、航空券、バス切符などの値段がほとんど上がっています。しかし、このような現象は低収入群体に対し、大きな影響を与えると考えられています。なお、2007年中国の鉄道部は列車チケット費が一年中に変わらないとアナウンスしました。
ダフ屋
チケットの転売行為は、春運中の供給矛盾をさらに激化しています。近年中国政府がこの行為に気づき取り締まりし始めたが、ダフ屋と地方政府の共謀のため、実際の管理難易度が想像より高くなっています。
安全性
春運中は人口密度が高く、偽詐、盗難など犯罪が普段より頻発します。そのため、鉄道乗車前の安全検査は平常より厳しくなります。道路運輸の方面で、春運時期により多いお金を稼ぐため、運転手に長時間仕事をさせるバス企業も少なくなりません。そのため、春運時期の交通事故発生率は非常に高いです。
参考記事:https://zh.wikipedia.org/zh-hans/春运
(記事執筆:Tonyembers 編集:野口哲正)