昨今、日本でも翻訳クラウドソーシングサービスが複数登場し、選択肢として定着してきました。
お隣の中国ではどんな翻訳クラウドソーシングサービスが利用されているのでしょうか?
今回は中国市場で利用されている4つのサービスを利用者(翻訳依頼者)、翻訳者双方からの評価も交えご紹介します。
有道人工翻訳(Youdao)
紹介
中国で非常に有名で知名度のあるサービスの一つ。翻訳者はあらかじめレジュメを提出。その後、サービス側よりテストの連絡が来て、テストを通ると正式な仕事ができるようになっている。
利用者の評価
<肯定的な評価>
・値段が安い。
・専門性が高くない一般文章の翻訳品質が良く、スピードが速い。
<否定的な評価>
・専門性が高い文章の翻訳質が良くなく、専門用語の間違いが多い。
・最初にグーグル翻訳を行い、その後で人工校正をかけるケースが見られる。
・翻訳者の能力差がかなり大きく、訳文の質も玉石混交。運が必要。
翻訳者の評価
<肯定的な評価>
・中国で非常に有名で知名度がある。
<否定的な評価>
・給料があまり高くない。例えば中国語から英語の翻訳料は1,000文字あたり80元(≒1400円)。
英語から中国語の場合は1,000文字あたり120元(2,000円)と低い水準になっている。
做到(Zuodao)
紹介
中国のトップIT会社Alibabaのグループ会社。非常に人気なウェブプラットホームだが、翻訳者側からの評判は賛否分かれる。
翻訳者の評価
<肯定的な評価>
・テストの基準が低い。テストが比較的簡単で仕事を請けやすい。
・一件あたりの翻訳量が少ない。日常的な1文や2文を翻訳できる。
・いつでも翻訳できる自由さ。給料は文単位で支払われるため、暇の時間があればアプリを開けすぐに翻訳できる。
<否定的な評価>
・給料が非常に低い。レベルが一番高いユーザ(翻訳者)でも1,000文字60元(1000円)程度。
・レビュー・評価制度がよくない。訳文の質に対する評価が不精確であり、たまに簡潔できれいに翻訳した文章の評価が極端に低くなされてしまう。
・稼いだお金の引き出すハードルが高い。500元(8,000円)からのみお金を引き出すことが可能。
我訳(Wiitrans)
紹介
比較的最近、設立された中国企業。専門分野向けの翻訳が人気で顧客からの評価も高い。
利用者の評価
<肯定的な評価>
・翻訳者の質が良い。
・プラットフォーム側に専門家を擁している。もし訳文に対し不満を持っているなら、直接に運営者である「我訳」に尋ねることも可能。
・文章の種類・分野により、ベストマッチを手配してくれる。
・進捗を可視化するシステムにより、翻訳の進みぐあいが分かりやすい。
<否定的な評価>
・値段が高い。
翻訳者の評価
<肯定的な評価>
・報酬水準が高い。中級レベルで1,000あたり文字180元(3,000円)です。
・自分がより長けている専門分野の翻訳に関しては料金を高く請求できる。
<否定的な評価>
・テストが非常に難しい。テストは全部主観的に判断されるもので、厳しく人間が審査を行っている。
訳言(Yeeyan Gutenberg Project)
紹介
商用翻訳だけでなく、著作権切れの書籍などを無償で翻訳するプロジェクトを用意しているサイト。
書籍版の「漢化組」のような側面を持っている。
現時点ではまだ使っている人が少ない。
利用者の評価
訳した本は無料で読めることが多く、読書家から好評。
翻訳者の評価
・言語の勉強として使う学生が多いため、無償翻訳の場合が多い。
・有償の場合、原稿料を滞納する場合がある。
(記事執筆:Tonyembers 編集:野口)
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