【セミナーレポート】現役通訳者に学ぶスポーツ通訳セミナー

株式会社インジェスターは、2018年1月26日(金)、講師に現役スポーツ通訳者である中曽根俊氏を招き、スポーツ通訳セミナーを開催いたしました。
参加者の方からご好評いただきました本セミナーのご報告をさせて頂きます。


本セミナーでは講師に現役スポーツ通訳・翻訳者である中曽根俊氏を講師にお招きしました。

2020年に開催されるオリンピックや、2019年開催のラグビーワールドカップなど、今後日本で行われるさまざまな国際スポーツイベント。その中で、通訳者に求められるもの、どのように準備を行っていくべきかなど、中曽根氏の実体験を基に実例を交えながらお話いただきました。

当日は、すでに通訳者としてキャリアをスタートしている受講者の方だけでなく、外国語専門学校に通っている学生の方など、さまざまな立場の受講者が集まりました。

セミナーの冒頭、中曽根氏は、バレンタイン監督専属時代の経験や、現在も携わられているNHK3大スポーツ放送通訳など、ご自身の通訳経歴を紹介。

選手や監督専属通訳やチーム付き通訳、記者会見や選手の囲み取材などのメディア対応通訳、また放送局でのスポーツ中継番組の通訳など、多様な係わり方があるスポーツ通訳の種類についてお話をいただきました。

事前準備の重要性

実践的な内容に講義が移ると、中曽根氏がロッテ時代から欠かさず作られている単語帳や相手選手の分析レポートの翻訳物などを見ました。

具体的な業務内容だけでなく、現場で求められる技術や心構え、事前準備の重要性などがテーマにあがり、特に中曽根氏からボビー・バレンタイン監督に教わった”5つのP”、「Perfect Preparation Prevents Poor Performance」が話に上がると、受講者は皆、真剣な顔つきで講義に集中している様子でした。

常にアンテナを張り、変化する言語に対応していく。

その後はレッスン形式のセクションへ。

受講者の皆さまは実際に辞書を引きながら、野球用語として”take”や”bean”などの単語がどう使われるのか、一緒に調べました。

中曽根氏は、普段、日常的に使う単語が使用する状況にどう変化することを理解した上で、自身に取り込んでいくことが重要だと語られました。

“The Greatest Teacher, Failure Is”

後半は、受講者とのディスカッションの時間を多く取りたいという中曽根氏のご配慮で、当初の予定より長い質疑応答の時間となりました。

学生の受講者の方から「どうすればスポーツ通訳者になれるのか?」と問われると、例としてBリーグが通訳者を多く求めている状況を伝え、「何事もチャレンジすることが大事だ。」とアドバイスされました。


また、「未知のジャンルにチャレンジし失敗することへの恐怖」という話が出た際には、失敗から学ぶことがいかに多く、その経験により成長することができると話しながら、スターウォーズのセリフを引用しながら勇気づけていました。

最後には「どんなときも楽しんでやることが一番大事だ」と締めくくりながらセミナーは終了しました。

参加した受講者からは

・実際にスポーツ通訳者を目指しているものの、どういったことを心がければ良いのか知ることが出来た。
・スポーツ通訳を専門にしたセミナーがあまりない中で、現役の講師から貴重な話を聞けてとても勉強になった。
・実際の現場で使われている言葉や体験を多く聞くことができ、貴重な体験ができた。
など、多くのご好評の言葉をいただきました。

インジェスターは、今後さらにこのような機会を提供しながら、スポーツ通訳者の育成につなげ、東京オリンピックを始めとした国際スポーツイベントにおける言語面でのサポートを強化していきたいと考えています。

講師略歴
中曽根 俊 氏

スポーツ通訳・翻訳者

ウェストヴァージニア大学卒業。フリーランスの通訳・翻訳者として、NHK衛星スポーツでのアメリカ3大スポーツ中継番組やCNNワールドスポーツでの翻訳・ボイスオーバーなどに携わる。主な通訳経験は、ワールドシリーズ中継同時通訳、千葉ロッテマリーンズ球団でのボビー・バレンタイン監督専属通訳、第1回WBCでの優勝監督・MVP受賞選手インタビュー通訳、プロ野球オールスターゲームのオフィシャル通訳、イチロー選手マイアミ・マーリンズ入団会見通訳、東レ・パンパシフィックオープン・オフィシャル通訳など。

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