前回の記事でもお伝えしましたが、民間の漢化組はボランティアで中国語版を制作する、ネット上のローカライズ集団です。
彼らは有志ユーザーから構成されており、公式で中国語化されていない漫画を翻訳している組織。漢化に携わる人は自分が従事している作品のファンであり、主に無償で活動しています。
起源:活動を始めた明確な時期は不明
画像出典:知乎
漫画の漢化組がいつから現れていたかは明確にはわかりません。確証はないですが、一番早い活動は2003年に「STEEL BALL RUN」のファンが自発的にこの漫画を中国語化してネットで公開した、といわれています。
翻訳の質:オフィシャル版の翻訳より良い
画像出典:知乎
漫画の創作は大きなプロセスであり、その中間にも多くの企業が絡み複雑化しており高コスト体質になっています。そのため、中国ではテンセントのような資金力がある大手企業しか漫画の著作権を買うことができません。テンセントは漫画の著作権を買った後、オフィシャルの中国語翻訳版をつくり発表していますが、その翻訳の質は高いものではなく、中国人読者はテンセントのオフィシャルな翻訳版の質に不満をあらわしていました。
ただ実際のところ、テンセントのオフィシャル版の翻訳文の質は必ずしも悪いとは言えないレベルです。
それでも読者が不満を持つのは、漢化組が長期的に非常に高い翻訳版をつくり続けているためです。こうした高品質な(非正規の)翻訳が作品に対する愛情に結びついています。漢化組の翻訳レベルは高く、こうした漢化組版が読者のセンスを高めたので、読者は普通レベルの翻訳文に満足しなくなっています。
その他の背景:正式版より早く読める海賊版
漫画作者と出版社に対してさらに悪い影響は、これらの海賊版の発表時期が正式版より早いことです。例えば、「ナルト」という漫画の完結編。中国の読者は日本の読者より一週間早く漫画の完結編を読めました。このため、日本読者が作品を読みはじめる時には、中国人読者が結果をレビューをしているという現象が現れています。
日本の読者は中国人読者が無料で漫画を読めるだけでなく、お金を払った自分よりほうが早く漫画を読めることに疑問を抱いています。。
組織構成:分業化がすすむ
漢化組は以下の構成で活動しています。
監督:人を集め、組織を立ち上げる発起人
図源:原版漫画をスキャンしてみんなに提供。
翻訳:漫画テキストの翻訳。
校正:翻訳文の誤字脱字を訂正。
潤色:校正した訳文の不自然を直し、脚色。
修図:スキャン後に変形した漫画を修正。
Photoshop:翻訳したテキストを原版漫画に差し替え。
対策:日本が海外マンガ海賊版サイトの摘発を開始
2015年11月13日、日本京都警察は漫画雑誌の運送会社社員および中国からの留学生3人を逮捕しました。
4人は10月29日に、11月2日発売予定の「週刊少年ジャンプ」連載の漫画、「ワンピース」を「mangapanda」という海賊版漫画ウェブサイトに許可なくアップロードしたで、告発されてしまいました。
このような形で日本は海外の海賊版に対する取り締まりを強化しており、漫画版の漢化組サイトもこうした影響から免れないと思われます。
参考記事:http://tech.sina.com.cn/zl/post/detail/i/2015-11-20/pid_8496717.htm
(記事執筆:Tonyembers 編集:野口哲正)